2018年12月19日水曜日

撮影禁止(ちっと長文)

京都吹奏楽連盟の告知では、来年からコンテストの様子の撮影を禁止するとか

すでに、その上のコンテストでは、撮影禁止のようですが
遠方のファンとしては、様子を見られないのは、非常に残念ですね。

ここからは、私個人の見解で、法律的な根拠も、何らかのセオリーに基づいたものではありませんので、ご理解の上お読みください。

撮影が禁止されるべき理屈としては、コンテスト等では、審査の公平性や、審査員の自由な裁量を確保するためだったり、有料の興行の場合は、概ね収益や、著作権の観点から禁止されることが多いようです。

有料の興行の場合は、まぁ、当たり前というか、当然ですよね。著作権問題も然りですが、お金を取って興行を見せるのが目的ですから、自由に撮影されて、映像が出回っては、興行主としてはたまらないですから。

個人的には、コンテストや、非営利の興行の場合に、どうして撮影を禁止しなければならないのか?という疑問をいつも感じます。

昨今、映像技術やデジタル技術が発達して、画像を含めた情報の流通量も飛躍的に増えている中、撮影を禁止するという行為そのものが、幼稚な規制手段となってきていることを認識するべきではないかと思います。

審査の公平性についても、昨今は、どんな競技でも、審査員の自由な裁量というよりは、公正な採点がされているか、むしろ映像と採点を可視化する試みが主流となっていますよね。

フィギュアスケートの採点などがいい例です。スケートの場合は、大会そのものが興行だったりするので、個人での撮影は許可されませんが、そのかわり、どの要素でどんな配点がされたかを公表することになっています。

マーコンはある意味、規定(課題)に基づく競技ですから、本来、地域のコンテストであっても、同じようにむしろ公開を進めるべきであって、撮影を禁止する理由には当たらないのではないかと思います。

マーコンの審査については、他にも、?な部分があるのですが、それはまた別な機会に。

上記の京都吹連の記載には、「生徒達の肖像権を守る」という趣旨が書かれていますが、これも、「昨今の状況から」という割には、時代錯誤ではなかろうかと思います。

おそらく自由に撮影されると、本人の意に沿わない形で、映像が流布されるというケースを言いたいのだろうと思いますが

こと、マーコンに関しては、業者がDVDBlu-rayを販売している時点で、プライバシーという理屈として成り立たないと思います。(ただ、販売することで、著作権で映像は守られ、ネットに氾濫するのを防げるというメリットはありますので、そのことを否定する訳ではありません。)

むしろ、販売の権利を特定の業者に売ってるからダメと言った方が、よっぽど潔いですよね。非営利組織なので、そうも言えないのかもしれませんが……

一方で、全日本吹奏楽連盟の約款には、「この法人は、吹奏楽及び管・打楽器による音楽の普及・向上を図り、もって我が国の芸術文化の発展に寄与することを目的とする。」とあります。

であれば、マーコン他、連盟の主催する催しは広く公開されるべきで、演技も公に公開する努力も必要なのではないかと思います。

地方の組織も、下部組織に相当するはずですから、当然この理念に沿った運営をすべきではないかと思います。そうであれば、本来は広くコンテストの様子は公開されるべきで、撮影を禁止する理由はそこにはないんだと思います。

どちらかと言うと、ご時世でプライバシーの保護にうるさくなってきたから禁止とうたっとけばいいだろうぐらいのモノなのかなと勘ぐってしまいます。そうだとしたら、主催者側の怠慢と言われてもしょうがないとも思ったりします。

マーコンのように、大勢の観客の前で演技を行うような場合は、自ら演奏を披露しているのであって、無断で撮影される等のプライバシーの侵害には当たりません。むしろ有名校の場合は、マスコミの取材などを受けているケースもあり、敢えて撮影を禁止する理由はないように思います。

むしろ、本来は広く公開して、マーチングという音楽文化を普及させるのが組織の使命であるべきです。

難しい問題ですが、「昨今の状況から」というのであれば、撮影を禁止する理由についての説明責任をしっかり果たすべきではないかと思いますね。

SNSへの投稿禁止というのもありますが、それも、別の機会に。

一般の人は禁止、関係者はOKというのであれば、まだわからないでもないですけどね。自分の子供の演技を映像に残したいという保護者の方もいらっしゃるだろうし、そういう方まで含めて、一律禁止というのは、どうなの?と思わざるを得ません。

そもそも、プライバシーを理由にするのであれば、主催者の判断というよりは、演者の思いを確認するべきです。想像ですが……一生懸命練習してきた演技であれば、いろんな方に見て欲しいと思うのもあるのではないでしょうか?

その手順をすっ飛ばして、一律禁止というのは、主催者側の手抜きと言われてもしょうがないはずです。

本来の目的を全うするのであれば、「広く映像公開を行い、かつ、生徒のプライバシーの保護のための映像流通の対策を強化する」ということになるはずです。

例えば主催者側でコンテストの映像を公開するとか、やり方はあるように思います。今回の全国では、配信されたとか……

とは言え、組織や、コストや、様々な問題があるので、実現が難しいのだろうとは推察できますが、「昨今の状況から」というのであれば、今のご時世にあった運営をすべきだと思います。

今は、何をするにしても、コンプライアンスの遵守や、情報公開、さらにプライバシーの保護などの様々な制約がつきものですが、避けて通ると本来の目的を達成することもできない世の中になっています。

こういうご時世ですからね。SNSとかで、節操なく、動画がばら撒かれるのは、確かに、プライバシーを脅かすだろうというのも、一理あるので……

特にお役所系は、リスキーと思ったら、ダメ!と叫んでおくという嫌いがあるので、そういうことになるのかなぁと。

生徒のプライバシーや安全を優先させるといいうのは、確かに正しいと思いますし、大人が守ってあげるべきです。しかし、本来の音楽文化の振興という目的を見失っているというのであれば、そもそも組織の存在意義を問われてしかるべきかなぁと。

……かと言っていろいろ対応するのも、知識もお金も、労力もかかってきますし、どこまでやればいいのか?どうするのが正しいのか?など、一朝一夕にはできないのも現実かと思いますが、お役所的な組織にありがちな、事なかれ主義では、昔と同じようには、運営できなくなってくきていることは認識して欲しいですね。

2 件のコメント:

  1. いっしようけんめい練習してきたのであれば、沢山の人々に見てもらいたいんじゃないでしょうか?
    全国大会なら出られる機会は相当少ないでしょうが、都道府県レベルであれば、多くの学生さんが、青春をかけて練習してきた成果を披露できるまたとないチャンスです。
    それを上手下手はあるでしょうが、何度も見返したいファンや関係者、親御さんが撮影して何が悪いんでしょうかね?
    関係者の判断が理解できません。

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    1. そうですね。私も見てほしいのではないかと思います。
      ただ、禁止をしているというのも、一定の理屈はあると思いますので、、、

      うーん、難しいところなんですよね。

      削除

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